鳳凰三山 地蔵ヶ岳(2764m)、赤抜沢ノ頭(2750m)、観音ヶ岳(2840m)、薬師ヶ岳(2780m) 2014年8月2〜3日  カウント:画像読み出し不能

所要時間
8/2
5:12 中道登山口−−5:36 ドンドコ沢−−5:42 登山道−−8:36 鳳凰小屋(休憩) 8:43−−9:25 地蔵ヶ岳(2700m鞍部)−−9:33 赤抜沢ノ頭(休憩) 9:52−−10:44 観音ヶ岳(休憩) 11:20−−11:41 薬師ヶ岳(標識)−−12:25 南御室小屋(幕営)

8/3
4:01 南御室小屋−−5:01 薬師ヶ岳(標識)−−5:20 観音ヶ岳(休憩) 5:43−−6:18 薬師ヶ岳 6:27−−6:50 御座石−−7:37 廃林道−−7:58 中道登山口

場所山梨県韮崎市/南アルプス市/北杜市
年月日2014年8月2〜3日 1泊2日幕営
天候8/2 晴後曇、一時雨
8/3 薄曇り
山行種類一般登山
交通手段マイカー
登山道の有無ドンドコ沢渡渉以外は登山道あり
籔の有無無し
危険個所の有無オベリスクに登らなければ無し
山頂の展望どの山頂も大展望
GPSトラックログ
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コメント中道登山口を起点にして、初日は鳳凰三山縦走して南御室小屋で幕営、翌日に薬師ヶ岳、観音ヶ岳に登ってから中道を下った。南御室小屋は豊富な水場、テント場が広くテントの数は多くはない、樹林で日影が得られるので週末でも快適。2日目朝には北アルプス、後立山、立山劒岳、妙高火打まで見ることができ、大展望に満足


ルート図。クリックで拡大


中道登山口少し奥の駐車余地 林道を下りドンドコ沢は左へ
林道支線のゲートを越える  2mほどの護岸で降りられないドンドコ沢
砂防ダム堰堤で下る ドンドコ沢は飛び石で渡れる水量
ドンドコ沢左岸を下流側に向かう 草付き斜面を横断
土石流跡を遡る すぐに登山道に出る
日帰り登山者。赤抜沢ノ頭まで前後した 支流が数か所あり水を担ぐ必要無し
普段は枯れている沢にも水が流れていた ここも水場
白糸滝分岐 水場
五色滝分岐 急な登りが続く
視界が開ける。小屋は近い 樹林が開けたドンドコ沢上部
鳳凰小屋 小屋にこの標識。久しぶりに見た
地蔵ヶ岳直下 地蔵ヶ岳南鞍部(山頂標識のある場所)
甲斐駒 北アがかろうじて見えた
八ヶ岳は雲の中 赤抜沢ノ頭
赤抜沢ノ頭から見た北岳
赤抜沢ノ頭から見た甲斐駒 赤抜沢ノ頭から見た離山
アサヨ峰方向の登山道は崩れているらしい 赤抜沢ノ頭から見た地蔵ヶ岳
赤抜沢ノ頭から見た観音ヶ岳 赤抜沢ノ頭から見た大樺沢
タカネビランジ ハクサンシャクナゲらしい
タイツリオウギ 観音ヶ岳へ向かう
野生動物撮影用か 鞍部
風に耐える唐松 鳳凰小屋分岐鞍部
白いタカネビランジ 最後の登り
観音ヶ岳山頂 薬師ヶ岳方向
地蔵ヶ岳方向 オベリスクてっぺんに人が
地形図の薬師ヶ岳山頂 薬師ヶ岳山頂標識の場所
薬師ヶ岳山頂標識からみたパノラマ写真(クリックで拡大)
南御室小屋へ向かう 薬師小屋
砂払岳を越える 樹林帯に突入
南御室小屋 テント場
夕方はもう少し増えたが余裕あり
まだ暗い時刻に出発 森林限界突破
砂払岳 薬師ヶ岳直下から見た砂払岳
奥秩父方向から日の出 虹。南の方は雨が降っていたようだ
薬師ヶ岳山頂標識からみたパノラマ写真(クリックで拡大)
空身で観音ヶ岳に向かう 観音ヶ岳
観音ヶ岳から見た富士山 観音ヶ岳から見た甲斐駒
観音ヶ岳から見た薬師ヶ岳 今朝もオベリスクに人が
観音ヶ岳から見た白峰三山 観音ヶ岳から見た仙丈ヶ岳
観音ヶ岳から見た乗鞍岳 観音ヶ岳から見た木曾御嶽
観音ヶ岳から見た360度パノラマ写真(クリックで拡大)
観音ヶ岳から見た北アルプス(クリックで拡大)
観音ヶ岳から見た妙高、火打、焼山
観音ヶ岳から見た御坂山塊(クリックで拡大)
観音ヶ岳から見た伊豆半島の山(クリックで拡大)
観音ヶ岳から見た七面山〜山伏(クリックで拡大)
観音ヶ岳から見た白峰南嶺南部(クリックで拡大)
観音ヶ岳から見た中央アルプス(クリックで拡大)
観音ヶ岳から見た小金沢連峰(クリックで拡大)
薬師ヶ岳山頂部 中道を下る
御座石 笹が出ると標高2000mちょっと
唐松植林帯 滑りやすい
廃林道 中道登山口
テント泊だから関係なし 一般登山者は6時間半が妥当な線だろう
中道登山口駐車スペース 起点に戻ってきた


 今週も気温が高く暑くなりそうな天気予報。こんなときは虫がまとわりつき風のない藪を漕ぐより高い山に逃げる方がいい。大気の状態がやや不安定とのことで森林限界の幕営を避けるべく、毎度お手軽に鳳凰三山とした。ただし、初日がドンドコ沢経由鳳凰小屋だとあまりに楽すぎるため、鳳凰小屋を通過して鳳凰三山を縦走し南御室小屋で幕営し、翌日は薬師ヶ岳に上がって中道を下ることにした。


 割引料金無しで韮崎ICを下りて青木鉱泉へ。小武川に新しい橋をかける工事の最中で、ここが完成すれば青木鉱泉まで全線舗装になる。青木鉱泉入口を通過、中道登山口の少し奥の駐車スペースで仮眠。標高が高いので涼しい。

 翌朝、充分明るくなって起床、飯を食って出発。毎度のパターンでドンドコ沢コースを登りにとるので、中道登山口を見送って林道を歩いてドンドコ沢へ。土砂が削られ護岸から河原に下りる段差が高くなっていてたので、砂防ダム堰堤の取っ手を使って河原に下りる。水量はいつもと同程度で飛び石で簡単に対岸に渡れた。

 下流方向に少し歩いて土石流跡を上がればすぐにドンドコ沢登山道。周囲には誰も見えなかったが、少し歩くと後ろから日帰り登山者の姿あり。私はテント泊装備なので道を譲り先に行ってもらうが、こちらは休憩なしで歩いていたので鳳凰小屋まで前後することになったのだった。

 登山道を沢が横断する場所では濡れタオルを洗って汗を洗い流す。これができるのでドンドコ沢コースはありがたい。全部で5箇所くらい沢があったと思うが、2箇所ほどいつもは水が流れていないところで水があった。今回も滝見物はパス。

 傾斜が緩んで樹林が開けた谷に出れば鳳凰小屋は近い。まだ天候は大丈夫で青空にオベリスク。小屋のテント場には既に3張あり。今回はここで幕営はしないので休憩&給水して先に進む。

 シラビソ樹林を抜けて花崗岩が風化した砂礫地の登り。ここは下りは膝にやさしいが登りは足元が不安定で疲れる。できるだけ固そうな場所を選びつつ足を置く。

 地蔵ヶ岳南側の2700m鞍部に到着し、やっと西側の展望が開ける。北岳には雲が絡んでいて山頂はガスっているだろう。残念ながら北アルプス方面も雲がかかって見えない。今日は地蔵ヶ岳直下まで上がらずに先に進むことにして、赤抜沢ノ頭へ上がって休憩。ここから見る大樺沢雪渓はかなり後退し、肉眼では分からないがデジカメで拡大すると雪渓外の左岸側に夏道が出ているのが分かった。今では短い雪渓上を2,3箇所横断するだけだろう。観音ヶ岳山頂付近も時々ガスがかかるようになり、天気予報どおり大気の状態がまだ不安定で早くもガスが上がってきているようだ。ただしまだ上空の雲の高さは高く雨が降る気配は無い。

 飯を食って観音ヶ岳向けて出発。いきなり下りでもったいないが地形がそうなっているのでしょうがない。花崗岩の砂地にはタカネビランジがあちこちに咲いていた。この花は特に鳳凰三山に多く見られる。

 鞍部から僅かに登り返して少し下ると鳳凰小屋分岐。ここから観音ヶ岳まで最後のまとまった登り。この時間は観音ヶ岳方面から下山してくる人の姿が目立つようになる。花崗岩の斜面を登って尾根へ乗り、強風で東へと枝が伸びた唐松を過ぎると再び森林限界へ。残念ながらガスが流れたり切れたりで展望は良くないが、先週と違って日差しがなく涼しくて歩くのには快適だ。

 傾斜が緩んで最後に突き上げて観音ヶ岳山頂。時々ガスがかかって展望が楽しめる天候ではないがしばし休憩。今日入山した登山者ここやってくるまでまだ時間が早いため山頂訪問者は少なめだった。

 観音ヶ岳を出発し、本日の宿となる南御室小屋へ向かう。最近は中道登山口発のルートが多く夜叉神峠から久しく登っていないので南御室小屋も久しぶりだ。薬師ヶ岳直下まで短いながら気持ちのいい森林限界の稜線歩き。晴れていればもっと爽快なのだが。

 薬師ヶ岳の山頂標識がある広場では数人の登山者が休憩中。地形図上の本当の薬師ヶ岳山頂では1人の姿あり。たまには登る人がいるようだ。写真撮影だけして通過。鞍部の薬師小屋も目にするのは久しぶり。ここは幕営できないので通過するしかない。

 花崗岩でできた砂払に登り返したらあとは下るだけ。下り始めて肩を通過するともう森林限界を割ってシラビソ樹林帯に突入する。しばらくはなだらかな尾根で、もう少しで南御室小屋というところで急激に高度を下げる。この区間はザレた直線的な道と、その西側にジグザグを切る迂回路があるが、通常は迂回路経由だろう。

 南御室小屋に到着、テント場は小屋の西側で鳳凰小屋と比較すれば数倍の広さはあるだろう。夜叉神峠経由だと半端な位置にあるため利用者は少なめだと思う。今は正午ちょっと過ぎだがテント場は半分も埋まっていない。奥のシラビソの木の下に場所を確保。料金は\500と昔の南ア価格のままだった。水は小屋の目の前に出ていて便利。幕営する環境としてはなかなかいい場所なのだが、いかんせん鳳凰三山を歩くのを考えると位置が中途半端なのが残念だ。

 テントを張り終わると同時に雨が降ってきたので中に退避。いいタイミングだったなぁ。30分くらいだろうか、雨は止んでくれた。私のテントはシングルウォールでフライは持ってきていないので、雨が降るとテントの出入りで中に雨粒が入るので雨は困る。

 雨が止んでからお隣のテントの男性としばし立ち話。国分寺在住でお近くだった。かなり山を歩いているようで百名山は完了し、南アルプスもあちこち登っているとのこと。最近は山梨百名山をやっていて最後の1山が山伏だそうだ。単独で幕営もやる人だと笹山や笊ヶ岳、鋸岳が最後になるわけではないようで、かなり変わったパターンと言えよう。その他に標高2500mで三角点がある山も考えているとのこと。この近くでやっかいなのは黒檜山や大唐松山がある。

 山ばかりではなく大型連休は毎年南の島に行くというからDJF氏と似ている。西表島のジャングルでキャンプをしたりダイビングをしたりとマルチに楽しんでいる様子だった。私も年をとったらそんなところでのんびりしてみたい。何だかんだで2時間くらい話していたと思う。既に時刻はPM6:30、もう少しで暗くなるのでおしまい。テントに戻って酒を飲んで寝た。結局、テント場がいっぱになることはなかった。

 夜、トイレで外に出ると薄雲がかかる場所もあるが星空が広がり、夕方まで掛かっていた雲は消えていた。明日朝の天気は期待できそうだと感じたが、明朝3時に起床しテントから頭を出すと星は微かに見えるだけで薄雲が掛かっているようだ。天気を悪くするような雲ではないと思うが展望は悪くしてしまうかも。こればかりは上に行ってみないとわからないので予定通り4時に出発。既に観音ヶ岳方面に向けて歩く登山者のライトが樹林を通して見えている。気温は+10℃、寒くもなく暑くもなく快適だ。

 砂払直下で森林限界を超えて大展望が広がる。頭上は高い雲があるが北岳や富士山は雲の下ですっきりと見えている。まもなく日の出の時刻で砂払で日の出を迎えてもいいが、そのまま薬師ヶ岳へと進んだ。薬師小屋に泊まった人たちだろう、何人もが日の出を待ち構えていた。薬師小屋を通過して登りにかかったところで砂払の斜面が赤く染まり日の出を迎えたことを知る。ただし地平線付近は雲はないものの少し上がると薄い雲に突入してしまうだろう。日焼けしないし暑さを防げるのでありがたいといえばありがたいことだ。

 薬師ヶ岳山頂の標識が立つ場所でようやく後立山の一角が目に入り、白馬岳まではっきりと見えているので観音ヶ岳に向かうことにした。ザックをデポしてアタックザックに防寒具のみ入れて出発。下山は中道コースなのでここに戻ってくることになるので軽装で向かうのが得策だ。

 今日は風も弱く体感的に適温。薬師ヶ岳〜観音ヶ岳間は森林限界を超えて花崗岩が風化した白砂で独特の風景。砂の上には登山道から外れて谷に下っているカモシカの足跡もあった。まだ時刻が早いせいか登山者の姿は少なかった。

 最後に一登りで観音ヶ岳山頂。高曇りで条件が良いとは言えないが、北アルプス方面に関しては先週の白峰三山と同等の大展望。甲斐駒で涸沢岳より南側は隠れて見えないが、北穂高岳より北側の山並みがくっきりと見えていた。立山、剱岳も明瞭。残念ながら奥日光方面は高い雲海で山陰は見えなかった。南ア南部方面には縦に短い虹が出たりして雨が降っているようだ。ただし降っているのは南部の山よりももっと奥かもしれないが。

 展望を十分堪能して下山開始。薬師ヶ岳に戻って重いザックを回収、せっかくなので地形図上の薬師ヶ岳山頂へ空身で向かう。正確には山頂は大岩の上だが近くの地面で妥協。地蔵ヶ岳同様、記念写真撮影は山頂表紙のある場所が普通だが、どう考えてもあそこは山頂じゃないよなぁ。

 再びザックを背負って中道コースを下山開始。登山口までほぼ一直線に下る続けるので効率がいい道だ。標高差は約1500mで先週の笹山東尾根の約2000mより短いので、所要時間は1時間半といったところか。山頂直下の森林限界はすぐに終わって短い区間のみ立ったハイマツですぐにシラビソ樹林へ。以降は1950m付近まで延々とシラビソ樹林が続く。途中、登ってくる登山者とすれ違ったのは合計4名だったかな。日曜日なので今日から登り始める人は少ない。

 シラビソ樹林の中に笹が見られるようになると唐松植林帯は近く、植生が切り替わると一気に明るくなる。ただし、植林帯の方が滑りやすい土が剥き出しになった場所があり、下りでコケると泥だらけになるので要注意。乾燥していれば問題ないのだろう。

 廃林道を横断しなおも下り続ける。ここまで来ると滑りやすい個所は無くなって歩きやすい。最後はジグザグに斜面を下って廃屋裏手に降り立って中道登山口到着。所要時間が書き換えられているが、標高差1500mを考えれば確かに4時間半はきついだろう。私でも休み無しで登って4時間弱かかるはずだ。一般登山者なら休憩込みで6時間半は妥当な線だと思う。

 登山口には車が1台、私が車を置いた駐車余地には私の他に3台あり、1台は男性が出発準備中。これからドンドコ沢コースに行って今日は鳳凰小屋泊り、明日は鳳凰三山を縦走して中道コースを下るそうだ。日曜日入山なら鳳凰小屋も空いていることだろう。あとは天気がいいことを祈ろう。

 テントを乾かしながら着替えを済ませ、地獄の暑さの下界に向かった。

 

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